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 トップページ > 道路 > イベント・開通式典等 > 「国道357号 東京港トンネル 開通記念イベント」(2019.06.02)

イベント名称
国道357号 東京港トンネル 開通記念イベント

日時
2019.06.02 9:00~14:30

場所
東京都品川区八潮-東京都品川区東八潮

主催
品川区
国土交通省 関東地方整備局 川崎国道事務所


開通路線
(開通区間)

国道357号 東京湾岸道路
東京港トンネル (東行き)

開通
年月日

2019.06.03 23:00~

イベント内容 フリーラン(往復2.5km)・ウォーキング(6km・2.5km)
セレモニー・東京2020オリンピック/パラリンピック啓発ブース
国道357号に関するパネル展示
働く車の展示

2019年06月02日
国道357号[東京湾岸道路] 東京港トンネル(東行)が同年06月03日に開通することを記念して、「国道357号東京港トンネル開通記念イベント」が東京都品川区八潮にて開催されました。

国道357号は、千葉県千葉市を起点とし神奈川県横須賀市を結ぶ一般国道。東京湾の湾岸沿い埋立地の一帯を通過することから、通称「東京湾岸道路」とも呼ばれています。

その一部である「東京港トンネル」は、東京都港区台場地区と東京都品川区大井地区の東京港を横断する海底トンネルです。1976年に首都高速道路部分の湾岸線・大井出入口-13号地出入口(現:臨海副都心)間が開通。後の2002年に国道357号一般部が事業化され、2016年03月26日に西行方向が先行開通。そしてこの度、2019年06月03日に東行方向の約1.9kmが開通し、ついに千葉~台場~羽田間の双方向からの連続通行が可能となりました。

今回の開通により、東京港・湾岸エリアの新たな道路ネットワークが誕生。既存の首都高速道路や東京臨港道路との相乗効果で臨海地区の主要拠点をはじめ、点在する周辺空港・港湾等へのアクセス性の向上等が期待されています。

イベントは当日先着順制で行われ、約1500名の参加者が、フリーランやウォーキング、パネル展示及び2020年東京オリンピック関連のPRブース等を交えながら、開通目前の東京港トンネルを体感しました。
イベント告知ポスター
品川区のホームページより引用)
この日イベントの参加パターンは、現地トンネル入口から約2.5kmのフリーラン及びウォーキング、鮫洲運動公園からスタートする約6kmウォーキングの全3コースが準備されました。

筆者らはトンネル入口からスタートする約2.5kmのウォーキングコースに参加。大井側に設けられた入路より、東京港トンネルを目指します。

この入路となる部分は、これまで首都高湾岸線 大井入口専用のランプとして長きにわたり使用されてきましたが、今回の開通に伴い国道357号東行の入路兼用のランプとして生まれ変わりました。
今回開通した「東京港トンネル」(東行・大井側)入路
 
開通に備えた周辺道路の案内標識板
周辺街路に設置されている案内標識も、今回の開通に備えた準備が施されていました。
標識板には不自然にマスク処理がされている部分があり、「R357 千葉 辰巳」の表示のシルエットがうっすらと確認できます。
これまで羽田・大井方向から台場や辰巳・千葉方面へ向かう場合は、一度都心へ迂回するか首都高湾岸線部分の東京港トンネルを経由せざるを得ませんでしたが、今回の開通で一部未通だった国道区間が解消。羽田-千葉間の両方向が新ルートで結ばれたことになります。
案内標識板と通行規制予告標識
案内標識と共に通行規制予告標識も多数設置されています。
東京港トンネルは、首都高・国道共に海底(水底)トンネルとなる為、道路法に基づき危険物積載車両の通過は禁止されています。
この他、歩行者・自転車・原付・リヤカー等の通行も禁止されているので、開通後も該当車種については迂回する必要があります。
大井側の入路に特設された会場入口。

これまで沢山の高速道路の開通記念イベントやウォーキングに参加してきましたが、国道の開通イベントは今回が初めての参加となりました。

参加人数やイベントは、高速道路関係のイベントと比べると小規模ではありますが、国道でありながら開通後は自動車専用となる区間をこうしてイベントで歩くことができる貴重な機会が設けられたことは道路ファンとして大変嬉しく思います。
開通記念イベント会場入口(東行・大井側入路)
入路の壁高柵には、不正通行対策として「自動車専用 歩行者 自転車 原付 立入禁止!」の標識も掲示されていました。

色合いは警戒・注意色である、赤・橙を基調としたものとなっており、表示も「CAR ONLY」の英文やピクトグラムを用いており、外国人や子供にも伝わるような配慮がなされていることがわかります。
不正通行対策標識
大井側の入路は、東京港トンネル方面に向かって下りのスロープとなっています。首都高大井入口専用のランプから今回の開通で国道ランプとして引継がれる際には路面も新たに打替えを行ったらしく、舗装も綺麗になりました。

品川・天王洲方面から東京港トンネルを千葉・台場方面に利用する場合、一度交差点を経てこの入路からアクセスすることになります。一方の国道357号羽田空港方面からは、アンダーパスが設けられており、で交差点を介さず、直通利用が可能となるそうです。
国道357号 東京港TN(大井側入路)
路肩の縁石脇には、国道357号の35.2キロポストを示した距離標(ヘクトポスト)が設置されていました。

色褪せて随分年季が入っていることから、開通を想定してずっと以前から設置されていたのかもしれません…。
国道357号 35.2kpの距離標(ヘクトポスト)
入路の路面で見つけた共同溝マンホール。内部には電力線が収容されているようです。

蓋のレリーフには「建設省・東京電力」と記されているので、省庁改変が行われた2001年以前から敷設されたものと思われます。
建設省・東京電力の電力線共同溝マンホール
首都高大井入口は利用できない旨を伝える横断幕と看板。

品川・天王洲方面からこの側道入路を経て首都高大井入口の利用はできません。

首都高湾岸線を利用する場合は、そのまま今回開通する国道357号(東行)東京港トンネルを台場方面に抜けた先にある、ひとつ先の有明入口を利用する必要があります。
首都高大井入口利用不可の案内横断幕
側道側の入路は途中で2車線から1車線に減少。
路面には右側車線へ移るように誘導する矢印の路面表示がペイントされています。

路面表示の矢印は、走行中のドライバーへより視覚的に伝わるよう、立体的な描写がされているほか、スリッドを入れることで車両が乗り上げた際の音と振動で注意喚起を促すものとなっています。
車線数減少部の路面表示
早速、東京港トンネル方面に向かって歩きます
写真左側が今回開通した国道357号東行、右側が首都高湾岸線です。

その最上段を東京都道316号「北部陸橋」、中段部をJR東海道新幹線の大井車両基地の引き込み線、東海道貨物支線・大汐線(運用休止中)がオーバーパスしています。

実際にイベントの最中も東海道新幹線の車両が引き込み線を行き来する様子が見えました。
国道357号・首都高湾岸線を横断する東海道新幹線
壁面に貼付られている35.1キロポストを示す距離標。

こちらも少し色褪せていることから、着工以前から設置されていたものと思われます。
35.1kpの距離標(キロポスト)  
路側に設けられた排水枡には、首都高の流末管理番号が割当てられていました。

首都高大井入口専属で運用していた頃からの名残りでしょうか・・・?
 
 
首都高所管(?)の排水枡
  側道(入路)と本線の合流部。
国道357号・羽田空港方面からの本線と合流します。
 側道・本線合流部
振り返れば、首都高の大井JCTのランプが見えます。

大井JCTでは、湾岸線と中央環状線が接続。このほか湾岸線(東行)→1号羽田線(上り)へ接続する連絡路も存在していますが、現在は羽田線東品川・鮫洲間の大規模更新工事に伴い長期閉鎖中。工期は2006年6月~2019年9月までの予定となっているそうです。

かつては羽田線-湾岸線間を一方向限定で結ぶJCTとして、湾岸線(西行)→1号羽田線(上り)を結ぶ連絡路も設けられていましたが、後の中央環状線の接続工事に伴い支障となったため、2013年に廃止となりました。
 
首都高 大井JCT方面
引き続き、合流部から東京港トンネル方面に向かって歩きます。
右側には首都高湾岸線(東行)大井入口が見えてきました。

大井入口は国道357号の側道・本線の合流部と重なる地点に位置しており、国道357号本線からの入口利用は可能ですが前述の横断幕の通り、側道入路から入口の利用はポストコーンで隔てられており、できない構造となっているようです。

このため側道側には「湾岸線へは有明入口をご利用下さい」という内容で、ひとつ先の入口を案内する看板が準備されていました。
湾岸線へは有明入口をご利用ください
 
国道357号と接続している、首都高湾岸線(東行) 大井入口。
千葉・お台場・東関東道方向の入口です。

イベント当日も多くの車両が、大井入口から首都高湾岸線へ流入していく姿が伺えました。国道357号開通後は、慢性的となっている湾岸線の渋滞の分散化や2ルート化による迂回路としての相互補完効果が期待されます。

かつてこの付近には、大井入口料金所と併設する形で首都高湾岸線のの休憩施設「大井PA」が設けられていましたが、後に大井JCTでの中央環状線の接続と国道357号の建設工事に伴い支障となることから、2012年7月にここから横浜側の約2km手前に移転が行われました。
 首都高湾岸線(東行) 大井入口
首都高湾岸線(東行) 大井料金所
国道357号は、首都高湾岸線(東行)大井料金所の隣を通過します。
大井料金所の施設も、国道357接続工事に併せて改修が行われたため、新しく生まれ変わりました。
35キロポスト地点の距離標。

国道357号の起点は千葉県千葉市。
神奈川方面から千葉方面に向かってキロポストの値が若くなっていきます。
 
35kpの距離標(キロポスト)
国道357号は並行する首都高高速湾岸線とと共に、東京都道316号北部陸橋、JR東海道新幹線大井車両基地引込線、JR東海道貨物支線・大汐線(大汐貨物線は現在休止中)の高架橋をアンダーパスしています。

用途・形状・設置年代が異なる複数の橋が密集して折り重なって交差する姿は、下から見上げていて大変壮観で迫力がありました。
  
鉄道・道路との高架橋交差部
首都高湾岸線(西行)大井JCTの案内標識もかなり近くまで接近して観察することができました。

開通後は歩いたり、車を止めてじっくり眺めながら楽しむことはできなくなるので、イベントならではの貴重な楽しみ方です。

今回の国道開通イベントは、並走する首都高速道路も併せて満喫することができ、道路ファンとしても大変満足できる内容となりました。
大井JCT300m手前の案内標識
首都高湾岸線 東京港トンネル坑口 臨海副都心1.8km手前の案内標識
首都高湾岸線の東京港トンネルの坑口もぐっと傍に見えてきました。
湾岸線(東行)次の出口は、トンネルを抜けた1.8km先の「臨海副都心出口」。お台場方面の最寄出口となります。
国道357号 東京港トンネルは自動車専用道路のため、事故や故障時等に通報ができるよう、路側には「非常電話設備」も備わっていました。

写真はトンネル外(明かり部)に設置されているもの。
見た目はNEXCO等が管理する路線のものとよく似ています。

受話器を上げると、道路管理者である国土交通省国道事務所が所管するトンネル管理施設(管制・制御室)に通じるものと思われます。
非常電話設備(明かり部) 
トンネル情報板設備
トンネルの手前に設置されている「トンネル情報板(警報板)」。
トンネル内の非常用設備と連動して、事故や火災等の異常発生時、直前で情報提供や進入禁止の案内を行う設備です。
高速道路等に設置されているものより小型のものが採用されていました。
34.7kpに到達。
ここでようやく、国道357号東京港トンネルの坑口が見えてきました。
34.7kpの距離標(キロポスト)
 
ウォーキング受付 参加証(ステッカー)
坑口手前に設営された受付にて、参加手続と参加費(200円)を支払い「参加証」を受け取りました。
参加証はステッカータイプで、参加者は各々で衣服やリュック等の目立つ場所に貼り付けての参加となりました。
隣に立つ青色のタワーは、東京港トンネル首都高側の立坑換気塔である「大井換気所」。トンネル換気設備の送排風を行うための施設です。反対の台場側にも「13号地換気所」と呼ばれる同様施設が対になる形で稼動しています。

換気所はトンネル坑口直上にあり、その手前にはトンネル用信号機の姿も確認できます。
首都高湾岸線 東京港トンネル・大井側立坑換気塔
制限速度と駐停車禁止を示す規制標識が、坑口手前の擁壁部に設置されていました。

付近一帯の制限速度は60km/h。TN内は駐停車禁止。
これらの規制標識は、警察が内容を協議して設置を行っています。
規制標識
国道357号(東行) 東京港トンネル大井側の坑口に到着しました。

坑口ポータルのデザインは至ってシンプル。首都高側のような巨大で特徴的な換気塔はおろか、TN名称を示すレリーフや名称標識等も一切掲げられていないものとなっています。
国道357号(東行) 東京港トンネル 大井側坑口
坑口付近に設置されている、「非常電話位置表示灯」。

こちらに設置されているものは、表示板の受話器のピクトサインがひとまわり小さく、文字も丸ゴシック体を採用したものとなっていました。

高速道路等で見かけるものと機能目的は全く同じですが、よく見るとこうしたデザインの違いに気づきます。
非常電話位置表示灯
トンネル坑口部の情報板。

事故や火災等の非常事態が発生した際、「進入禁止」等の項目を点灯表示させるものと思われます。
トンネル坑口情報板
トンネル内は、「ラジオ再放送設備」と呼ばれるAM・FMラジオの誘導線が備わっており、主要局の放送が途切れることなく聴取することができます。

また、万一事故・火災等が発生した場合は、緊急放送や避難誘導に関する内容がラジオ放送に割込ませて放送できる仕組みになっています。
トンネル内ラジオ聴取可
いよいよ、国道357号東京港トンネル内部へと入りました。
トンネルはここから先、東京湾の海底を横断し臨海副都心・台場方面へと続いていきます。

坑口付近のトンネル断面は角型の拡幅された形状となっています。おそらく建設当時、立坑としてシールドマシンや工事資機材を搬入出等が行われていた部分と思われます。

トンネル断面は十数ートル進んだところで丸型の形状へと変わります。
トンネル内部(縦坑付近)
トンネル内に入り、路面舗装が黒色のアスファルト舗装から灰白色のコンクリート舗装へと変わります。

トンネル内部をコンクリート舗装で施工することで、路面や構造物の耐久性や照度確保による視認向上などのメリットがあるとされているそうです。
舗装の境目
壁面には、東京港トンネルの構造物詳細を示した銘板が貼付けられていました。

土木構造物及び工事名称、発注者、工期、設計施工者名等が細かく明記されています。

東京湾の直下を通るこのトンネル本体は、工期は平成26年3月~平成29年10月の僅か3年余りで完成していることに大変驚きました

コンクリートの施工も、携わった多くの企業・工場が名を連ねており、大規模な工事であったことが伺えます。
 
構造物銘板
トンネル照明設備
天井に設置されている照明設備。照明器具は全て演色性の高い白色LED光源を採用していました。
入口・出口付近は器具を多く設置して、トンネル内外での明暗の差に順応できるよう調光機能が備わっています。
照明器具は寸法や配置、内部のLED素子の数が異なり、複数種類があることがわかります。
トンネル内の様子。

ウォーキングコースは右車線が往路、左車線が復路とされており、参加者は歩きながらトンネルを見学したり、記念写真撮影を撮影したりしながら自由に楽しむことができました。
 
トンネル内部
トンネル監視員通路
左路肩側に設けられた監視員通路。高さは車道から約1m弱ほど高く設けられており、非常時の路外退避や避難の他、維持管理・点検等にも利用されます。通路上には消化栓や押しボタン通報装置などの非常用設備が備え付けられています。
火災検知器
トンネル内には、火災検知器が一定間隔で設置されています。
火気を自動検出して、消化栓や水噴霧(スプリンクラー)、情報板設備等が連動させる機能を果たすそうです。
トンネル出入口付近のものは、トンネル外部の火気を検知しないよう、片側を目隠ししているタイプも存在しました。
機器の見た目から、イベント参加の子供たちからは「おもしろい~お顔みたいだね」といった声も聞こえました。
トンネル換気設備(ジェットファン)も間近で眺めることができました。ジェットファンは、空気循環や火災時の排煙を行うための設備です。

東京港トンネル内には、確認できただけでも11台近い数のジェットファンが設置されており、JF-1、JF-2…といった形で1台ずつ番号が振られています。

イベント当日は動作はしていませんでしたが、何本もの金具でしっかりと吊り下げられており、真下から見ると走行中とはまた違った迫力と重厚感がありました。
 
トンネル換気設備(ジェットファン)
風向風速計
トンネル内部の風向きや風量は路側に設置されている風向風速計にて測定・管理されます。
鳥篭のような形状のセンサー部で風を検知して、状況に応じてジェットファン等のトンネル換気設備が動作するそうです。
 非常駐車帯
トンネル内には、緊急時に備えて非常駐車帯が設けられています。
ただし、高速道路ほど大規模なものではありません。退避できる窪みも浅く、大型車等は車線に少しはみ出してしまいそうな気がします…。
トンネル内の非常電話設備。

トンネル内の非常電話は、約200mの間隔で設置されています。
非常電話設備(トンネル部)
こちらは消火栓箱。トンネル内に約50mの間隔で設置されています。

箱の中には消火放水用ホースノズルと消火器、押釦式通報装置、給水栓が格納されており、人力による初期消火に必要となる設備が備わっています。

右側グレーの箱には水噴霧放水用の自動弁(バルブ)が格納されているそうです。こちらについては保守点検用の蓋のため、一般の方が開けて使う機器は入っていません。
消火栓
トンネルの天井部には、トンネル火災発生時に作動する水噴霧放水(スプリンクラー)の放水ノズルと配水管が縦断しています。

水噴霧放水設備は、火災による延焼防止と構造物の保護が主たる目的として設置されているそうです。

水噴霧設備のノズル(ヘッド)は約5m間隔で設置。東京港トンネル(東行)には、約300個のノズルが備わっています。
水噴霧放水ヘッド
トンネル内の消火栓や水噴霧設備等の非常用設備に水を供給するための配水本管。

主に監視員通路の下に埋設されていますが、非常口となる部分はスペース上の都合から、上部へ露出する形で迂回して配管が通されていました。

火災発生時は絶やすことなく水を供給する必要があるため、配管の呼び径はずいぶん太いものが用いられていることがわかります。
非常用設備用の配水本管
 CCTVカメラ
トンネル内には、全10台のCCTV監視カメラが200m間隔で設置されており、内部の状況を24時間365日体制で交通監視が行われます。
カメラは本線のみならず、非常口から繋がる避難通路上にも設置されており、きめ細かく管理されてるそうです。
非常口表示灯(誘導灯)
非常口表示灯。最寄の非常口の位置(方向と距離)を案内するものです。
表示部のピクトサインの向きは非常口の距離が近い方向に向けられており、視覚的に直感で避難しやすいよう設置基準で取り決められているそうです。(両方向とも距離が同じ場合は、坑口に近い方向へ向けられます)
誘導灯の内部照明にはバッテリーが内臓されており、トンネル内が停電しても一定時間、継続点灯が可能になっています。
非常口表示灯(誘導灯)
非常口の近傍に設置されている非常口表示灯。
こちらは誘導灯と併せて黄色点滅灯(強調灯)で非常口の存在を示しています。いずれも表示部の書体に丸ゴシック体を使用していますが、機能的には高速道路等トンネルと同等のものが設置されているようです。
避難用すべり台式非常口 非常口扉
避難通路へ連絡している非常口。
トンネル内に全部で7箇所設置されています。扉はスライド式で火災時は煙が避難通路まで侵入しないよう、自動閉扉機構が備わっているとのことです。扉を開けると中にはすべり台があり、車道直下を通る避難通路へと続いています。同様の「すべり台式」の非常口は、「東京湾アクアトンネル」や「首都高 横浜北トンネル」等でも採用されている実績があります。
「土圧計測定ケーブル収納BOX」と記された箱がありました。

詳しい事はわかりませんでしたが、トンネル構造物に加わる外圧や変状等を調べる装置に関係するものと思われます。
 
土圧計測定ケーブル?
34kpの距離標(キロポスト) 34kp付近
トンネル内部で34kp地点を迎えます。そろそろこの付近で東京港の海底部分に入ったあたりでしょうか…。
ちなみに海底横断部分のトンネルの土被りは、わずか約7m程の厚さとのこと。平行する既存の首都高トンネルとの離隔距離は約17m。
これらの厳しい制約のもと、シールド工法を用いて航路や近接構造物に影響与えることなくトンネル工事が進められてきました。
引き続き、台場方面に向かって歩きます…。

坑口からトンネルの中心部分にかけては、ゆるやかな下り勾配が続きます。
台場方面の様子
国道357号及び東京港トンネルに関するパネル展示 トンネル内でのプロジェクト映像放映
ウォーキングコースの途中に設営された、国道357号と東京港トンネル事業に関するパネル展示。
トンネルの壁面を活用した、プロジェクターによる工事映像の上映会も同時開催されました。
トンネル施工状況を紹介するパネル トンネル付属設備を紹介するパネル
トンネル本体工事の施工状況を写真を用いて紹介したパネルも展示されていました。
ざっくりとしたトンネル施工の流れとしては、シールドマシンによる掘削→TN外周全体にセグメントを供給組立→路面・避難通路を形成したカルバートを設置→覆工1次組立→覆工2次組立 といった順に行われたそうです。

このほか、トンネル内に設けられた主要設備の紹介パネルも展示されており、前述で紹介した非常用設備の機能概要などがイメージ図を用いて詳しく紹介されていました。
トンネル掘削工事現場を紹介するパネル シールドマシンの模型展示
トンネルの掘削工事に用いられたシールドマシンの模型も展示されていました。
シールドマシンは、カッターフェイス(水色部分)を回転させて掘削しながら前進していくというもの。実物の大きさは、直径約12m・長さ11mにも及びます。内部はマシンを司る運転室をはじめ、掘削排土をダンプトラックで搬出するためのコンベアやホッパー等も備わっているそうです。これらのシールドマシンを使用する工法は、その名の通り「シールド工法」と呼ばれています。

ちなみに、並行している首都高側の東京港トンネルは、「沈埋函工法」と呼ばれる工法が用いられており、海底をあらかじめ掘削し、地上で製作したトンネル函体を沈めた後、函体同士を繋ぎ合わせて埋め戻す、シールド工法とは全く異なる手法で建設されたそうです。
トンネルの断面を覆っているブロック、「セグメント」に関するパネル。

東京港トンネルで用いられたセグメントは、「SFRCセグメント」と呼ばれる銅繊維を混入させたものと、「合成セグメント」と呼ばれる鋼材が入ったものの強度が異なる2種類が存在し、土被り等場所の状況に応じて使い分けられているそうです。

セグメントは事前に外部工場で製作され、特殊運搬車両でトンネル内へ運び込み、「エレクター」と呼ばれる重機で組立てられました。
セグメントに関する紹介パネル
トンネルの中間に近づくにつれ、勾配は下りから上りへと変わります。
いわゆる「サグ(部)」と呼ばれる形状で、上下に大きく屈曲していることが歩きながらはっきりと見てとれました。
TN中間地点(サグ部)付近
中間部付近を過ぎ、ここから先は海底から台場側地上部にかけて上り勾配となります。
いよいよ台場側の坑口(出口)の光が見えてきました!
台場側出口付近は上り勾配
33.3kpのキロポスト表示。
数字がぞろ目の表示を見つけて、写真を撮る人を多数見かけました。
もちろん自分もそのひとりだったりするわけで…(^^;
33.3kpの距離標(キロポスト)
ウォーキング折り返し地点付近 ウォーキング折り返し地点から台場側坑口を望む
台場側の坑口の手前でウォーキングコースの折り返し地点に到達。
トンネル出口の先は臨海副都心の台場地区。フジテレビ裏手付近の地上部へ抜け、国道357号は千葉方面へと続きます。
 記念写真撮影パネル 参加記念の「完歩証」と記念ボールペン
折り返し地点から再び大井側の入口へと戻ってきました。会場出口では、品川区発行の「完歩証」と記念品を頂きました。
写真撮影用のパネルが用意されていたので、イベント参加記念に我が家の娘ちゃんが代表で記念撮影。
(今回もパパの趣味に付き合って頑張って歩いてくれました。娘よありがとう)

こうして翌日(6/3)の無事開通と今後の国道357号及び東京臨海地区の更なる発展を願いながら、会場を後にしました。
 

関連リンク


国土交通省 関東地方整備局 川崎国道事務所

国道357号東京港トンネル東行(内陸側)開通ページ

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