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みちレポ
タイトル
首都高速道路株式会社 神奈川局
『首都高MMパーク』に行ってみた!
調査・探索
年月日
2021年 7月1日
場所 神奈川県横浜市西区みなとみらい
(首都高速道路株式会社 神奈川局 社屋内)
趣旨・概要 2021年6月30日にオープンした、首都高速道路の新しい展示施設『首都高MMパーク』の見学体験に関するまとめ
協力 首都高速道路株式会社 神奈川局
『首都高MMパーク』様

2021年6月30日、神奈川県横浜市西区みなとみらいにある「首都高速道路株式会社 神奈川局」社屋内に、首都高の新しい展示施設となる『首都高MMパーク』がオープンしました。

同施設では、首都高の道路管理者である首都高速道路株式会社が、首都高の道路事業や交通安全・防災対策の取組み等の様々な展示やPRコーナーを展開。お客様が「首都高をより身近に親しんでいただける憩いの場」をコンセプトに設立。

オープン翌日の2021年07月01日。新しく誕生した『首都高MMパーク』をさっそく体験してきました。

首都高MMパークが入る「首都高速道路・神奈川局」社屋は、首都高速道路・神奈川1号横羽線「みなとみらい出入口」のすぐお隣。(お車で来訪の場合は近隣有料駐車場を利用する必要があります)JR京浜東北線/横浜市営地下鉄「桜木町駅」から徒歩10分圏内の場所に位置しており、鉄道でのアクセスも良好です。
首都高速道路株式会社 神奈川局 「首都高MMパーク」玄関
首都高・神奈川局の社屋ビルは2021年4月頃に完成。これまで東神奈川にあった社屋よりこちらに移転してきたばかりだそうです。

「首都高MMパーク」は、この社屋内の1階・2階スペースに開設されました。

社屋の玄関は1階・2階に設けられています。
「首都高MMパーク」の総合受付カウンターは2階玄関側に設けられていますが、1階・2階どちらの玄関からも入場することが可能でした。

2階のアプローチ部分はデッキ構造となっており、近隣のイベントホール「ぴあアリーナMM」や「横浜銀行本店」、「けやき通り西交差点歩道橋」が1本に直結。そのまま歩いて行き来することが可能な構造になりました。

2階のデッキ及び玄関部分では、ウェルカムオブジェと首都高PA等でもおなじみの「ETC2.0くん」がお出迎えしてくれます。
「首都高MMパーク」ウェルカムオブジェとETC2.0くん
首都高・神奈川局 社屋玄関のフロア案内図。

神奈川局社屋は全10階建てのビルとなっており、各階に首都高速道路株式会社及び・首都高関連のグループ会社が入居しているようです。

4階には「神奈川県警察高速道路交通警察隊」も入居しており、駐車場出入口からは警察車両の他、首都高の関係車両が多数出入りしている様子が伺えました。

「首都高MMパーク」は玄関に面した1階と2階のフロアにわたって設営されており、フロア内は入場無料。自由に見学が可能な間取りになっています。
首都高速道路株式会社・神奈川局 フロア案内図
1Fフロアの展示スペース。

道路巡回車(黄パト)や案内標識等はすべて実物展示!
大人から子供まで幅広く楽しめるラインナップとなっています。

各階フロアには、案内を担当するスタッフさんが常駐していらっしゃいます。展示物や首都高事業について詳しく丁寧にご紹介していただきました。
1Fフロア 展示スペース
まずは、「首都高のトンネル防災」に関する展示ブース。

非常電話や泡消火栓、消火器、水噴霧放水設備、非常口、避難通路など…。トンネル内設置の防災設備や設備の使用方法について紹介しています。

万が一トンネル内での事故や火災に遭遇した場合を想定した避難・通報・初期消火等の最適な対応方法について、パネルと動画映像を用いて詳しく解説が行われていました。

非常電話や消火器、泡消火栓、非常口、避難通路はお客様自体が非常時に交通管制室への通報・初期消火・避難に利用できます。

水噴霧放水設備は火災時の延焼防止や構造物の保護を目的として設置。火災状況に応じて施設管制室で制御操作を行っているそうです。
『首都高のトンネル防災』展示ブース
「非常電話を試してみよう」のコーナーでは、
パネルに設置された非常電話のデモ機と、モニターイメージ映像で「首都高・交通管制室」との通報のやりとりが体験できます。
(2021.06.01現在~ 新型コロナウイルス感染防止対策のため休止中)

非常電話は、明り部本線上(約500m間隔)、トンネル内(約100m間隔)、休憩施設など首都高各所に設置されており、事故や故障、落下物、道路の異常、身動きが取れなくなった場合等…。非常時に利用者が交通管制室へ通報する設備です。非常電話のほか、お手持ちの携帯電話等から道路緊急ダイヤル(#9910)での通報も可能です。

首都高の各管制室では、24時間365日休むことなく道路状況を監視しており、各地に設置された非常電話の通報をはじめ、CCTVカメラや交通量計測設備などの情報を元に、事故や故障車、落下物、渋滞等の様々な異常を集約して把握。状況に応じて処理対応を行う交通管理隊の手配や高速隊(警察)への通報、情報板等への情報提供や設備の制御操作等がきめ細かく行われています。
非常電話を試してみよう!
つづいて、「もしも、トンネル内で火災に遭遇したら」のコーナー。
トンネル火災に遭遇した場合の適切な対応方法がイラストと映像で分かり易くまとめられていました。

火災発生時はトンネル手前、トンネル内、火災(火点)付近など、自身(自車)の停止している位置によって、避難の動きが異なる点がポイント。

・手前では警報板や信号機、係員に従って停車(TN内に入らない)。
・内部では警報板や信号機のほか、案内放送にしたがって路肩に寄せて停車。状況に応じて安全な非常口から避難。(車から離れる場合は貴重品を持って、キーはロックせずに車内に残したままにする)。
・火災付近では火災車両の手前で停車(追い越さない)、火災や煙から遠ざかるように避難。
通報・初期消火活動は安全の確保ができてから。危険が無いことを十分確認した上、無理の無い範囲で行ってほしいとの内容でした。
もしも、トンネルで火災に遭遇したら
パネルや映像の他、トンネル内に設置の「すべり台式 避難通路」の構造を分かり易く再現したジオラマも展示されています。

ジオラマ再現の避難通路は「床版下避難通路経由型」と呼ばれるもの。非常時はトンネルの点検員通路に設けられた扉を開け、すべり台で路面床下に設けられた避難通路へ降下、避難通路の誘導案内に従って地上へとつながる立坑の階段よりトンネル外へ避難する構造のものになっています。

これと同様の避難通路は、首都高の「横浜北トンネル」と「横浜北西トンネル」で採用されています。(首都高以外では、NEXCO東日本管内の「東京湾アクアトンネル」などにも採用例があるようです)

首都高の避難通路は、このほかにも複数パターンの構造のものが存在しており、首都高速道路株式会社のドライバーズサイト内には構造や非常時の利用方法について紹介されています。(こちらを参照
トンネル内すべり台式避難通路・非常口(ジオラマ)
次に「首都高の標識」に関する展示ブース。
ここでは、実際に首都高で使用されていた案内標識が展示されています。

実物の標識板のため、本物素材かつ大きさもも実寸大サイズ。
数ある展示の中でもかなりの存在感がありました!

展示ブースのパネルには、標識の種類や、夜間・逆光時の視認判読性を高める工夫や取組みについての紹介、異なる反射素材同士の比較などを体感しながら知ることができます。
首都高の標識
実際に展示されている実物の標識板がこちら。
首都高の入口付近に設置される案内標識の一部で、主要地点までの距離が標記されているもの。精細な採寸はしていませんが、目視採寸で概ね高2m×幅3m程の大きさがあります。

内容は、「[E83] 第三京浜5km 湾岸線8km 横浜公園12km」とありました。

第三京浜の項目には、2017年頃より導入開始となった「路線ナンバリング」(E83)標記が含まれているため、標識板自体はここ5年以内に設置されたものであることが思慮されます。表示されている各地の場所・距離から推察すると、K7横浜北線・馬場入口(2020年供用開始)の何処かに設置されていたものでしょうか…?

標識板は定期的な構造点検が行われており、老朽化や視認性が低下したものは順次交換を行う他、延伸開通や交通運用により表示変更が必要になった場合にも交換を実施するケースもあるそうです。
 入口案内標識(実物)
標識板の文字に手のひらをかざしてみる…。
ざっくりとした比較対象方法ですが、文字ひとつひとつのの大きさがなんとなく伝われば幸いです…。(^-^;

ジャンクション分岐や図形型など、さらに大型の案内標識は、標識板や文字のサイズも比例して大きくなるようです。

首都高の案内標識に使用されている文字は、現行で和文が「新ゴ」、英文は「ビアログ」という書体が採用されています。緑地の背景となる反射シートが貼られた標識板の上に、白色の反射シートを文字や図形の形状に合わせてカッティングしたものを圧着貼付して作られています。

実際の現場に掲げられていた標識板ですので、風雨に曝され全体的に細かい傷こそありますが、反射性や堅牢さなどの機能はまだまだ十分に保たれているように感じました。
手のひらサイズ比較・経年使用による傷み
首都高で用いられている、基本的な案内標識の種類について説明するパネルもありました。

・首都高入口の方向を示す「入口誘導案内」
・首都高入口を示す「入口案内」
・この先の分岐及び方面を示す「本線分岐予告案内」
・分岐部の行先及び方面を示す「本線分岐案内」
・次の出口及び分岐方向を示す「出口予告案内」
・出口と分岐方向を示す「出口案内」

この他にも種類はありますが、大まかに分類化しただけでもこれだけ多くのパターンが存在しています。

案内標識は道路の管理者(道路会社)にて設置されます。この他、設置注意喚起を行う「警戒標識」や警察や公安委員会の協議で設置される「規制標識」などもあります。
案内標識の種類
道路標識の表面には、昼夜問わず表示内容が判読ができるよう視認性を確保する必要があるため、車のヘッドライトや照明などで反射する素材が用いられています。

光の反射の原理には大きく分類すると、
「乱反射」・「鏡面反射」・「再帰性反射」の3つの種類があるそうで、標識には「再帰性反射」と呼ばれる機能を有した反射素材が用いられているとのことです。

再帰性反射は、入射した光を光源方向に反射する特性を持った特殊な反射方式であるとの記述がありました。
夜間でも見える標識
展示には、2種類の「K1」(神奈川1号横羽線)ルートマーク標識が用意されています。

ひとつは、「鏡面反射」に適応した素材のもの(左)。もう一方は、実際の標識に用いられている「再帰性反射」の素材を使用したもの(右)です。

パッと見る限りだと、見た目そのものに大きな違いは感じられません。
すると、案内のスタッフの方が「ぜひ、カメラのストロボ(フラッシュ)を焚いて撮影してみてください!」とのことで試してみると…。

鏡面反射(左)に対して、再帰性反射(右)の標識板がストロボの光を受けて、圧倒的に高い輝度を保ちながら反射していることがわかります。
全天候かつ昼夜問わず遠方視認を前提とした、道路標識ならではの抜群の反射性能です。
逆光対策標識を試してみよう!
朝方・夕暮れ時間帯に自動車を運転していていると、陽の光や眩しさで前方や標識が見えづらいなぁなどと感じること、よくありませんか?

首都高では、そんな逆光時でも標識の視認性を高め、確実な判読ができるように「逆光対策標識」を一部路線の標識に導入しているそうです。
逆光でも見える標識
「逆光対策標識」の仕組みはや機構自体は単純。標識板の文字・図形に合わせて、細かく丸い穴(パンチング加工)があけられており、穴が逆光を透過することで文字・図形だけを浮かび上げるというもの。あえて逆光を逆手に利用したシンプルな手法が用いられていることがわかります。

もちろん表面には、前述で紹介の再帰性反射機能も有しているので、逆光・順光・夜間など時間帯問わず判読が可能。

首都高では湾岸線など西日の影響を受けやすい東西を結ぶ路線に多く導入されており、パネルでは湾岸線・東扇島出口での採用実績が紹介されていました。
首都高MMPARKでは、展示に逆光対策標識のサンプルが用意されており、実際に逆光を再現して見え方を試すことでできます。
逆光対策標識を試してみよう!
「こんなタイプの標識もあります。フラッシュ撮影してみよう!」
ということで、壁面には、トンネルとヘッドライトと照らした車のイラストが…。

フラッシュを焚いて撮影してみると、標識が浮かび上がります。
トンネル内の標識には、自発光型の照明が内臓された内照式案内標識が多く用いられているそうです。

丸い断面のトンネルでは、トンネル天井覆工の形状に合わせた逆半月形状のものを採用する場合もあるとか。

スタッフさんによると、2階フロアにも標識にまつわる「あるモノ」の展示があるとのこと。2階の展示について詳しくは後述で…。
こんなタイプの標識もあります。
続いて、「首都高の車両」に関する展示ブース。

1F玄関付近には、首都高速道路・交通管理隊のバイク部隊である「首都高バイク隊」の巡回用パトロールバイク(400cc)が展示されています。

黄色い巡回車(黄パト)同様、黄色塗色のバイクであることから、通称「黄バイ」とも呼称されているそうです。

主に首都高・中央環状線の「山手トンネル」を所掌とする専属部隊がが乗務する車両で、トンネル内で発生した火災・事故等の初動対応や状況確認、お客様の避難誘導や交通規制、通行止対応などを行う役目を担っています。
首都高バイク隊のバイク(黄バイ)

車両の正面には「首都高 MOTORCYCLE PATROL UNIT」の標記、サイドには「首都高PATROL Traffic Management」と記されたオリジナルのエンブレムが貼られています。

黄パト同様に緊急走行が可能となっており、非常時はトンネル内の渋滞や滞留車両の間をさけて現場に急行。二輪車ならではの機動性を活かし迅速な初動対応と安全確保が可能となりました。

この首都高のパトロールバイク、民間企業として日本で初めて緊急走行(赤色灯・サイレンの使用)が認められた自動二輪車になるそうです。
首都高バイク隊・エンブレム
赤色回転灯は前後3箇所に搭載。後方には、発炎筒や合図灯といった簡易規制材や書類等携行品を格納するボックスが備わっています。
黄色い塗色を除いて姿形は、警察さんが乗務する白バイと良く似ていますが、黄バイは交通違反の取締りは行いません。前述の通り、首都高・山手トンネルの交通管理が業務範囲です。
白バイと少し異なるのが、後輪横に搭載されている「スピーカー」だそうです。首都高のトンネルは一方通行のため、後続車両へ拡声器で注意喚起を行うことを想定し後方に向けられたスピーカーが特別に備わっているのが特徴です。
パトロールカーの警察無線機
道路パトロールカー(黄パト)も展示されています。
車種はTOYOTAの「ランドクルーザー」。

スタッフの方に聞いたところ、実際に交通管理隊員が乗務して首都高の巡回を行っていた車両とのこと。この度新しい車両への置換えに伴い現役引退となり、今回「首都高MMパーク」内に展示される運びとなったそうです。

引退までの平均的な総走行距離は、なんと約30~40万km!
かなりの距離を走り込んでいますが、ボディはピカピカ。車両は日々丁寧にしっかりと点検やお手入れをしています。とのことでした。
首都高の道路巡回車(黄パト)
ランドクルーザー自体大きな車両ですが、実際に運用中の車両のトランク内には、事故や故障車・非常時に必要となる規制資機材や装備品等が数多く搭載されています。時には回収した落下物を積載することもあるそうです。

リアバンパー部には、ウィンチ用のフックも搭載していました。
おそらく事故・故障車両を牽引するために使うものと思われます。

スタッフさんのお話によると、本来は黄パトなどへの乗車体験も予定していたそうですが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は休止しているとのことでした。
首都高の道路巡回車(黄パト) 横から・後ろから
ルーフ上には、車載標識・散光式警光灯が搭載。
「黄パト」を象徴するおなじみの装備です。
車載標識はLED式と起立式の両方が装備されていました。

そして、リアガラスには「高速224」の文字。
巡回車として現役当時に割り当てられていたコールサイン表示がそのまま残されています。
車載標識・散光式警光灯
後方及び左右のサイドドアには、首都高の道路巡回車であることを示す「首都高速道路 PATROL」と記されたステッカーが貼られています。

ステッカーは青色の反射素材が使われており、昼夜間問わず遠方からでも十分に存在感を与える目立つものとなっているようです。

近年は、インバウンド対策の一環で英文の「PATROL」標記が入るようになりました。
首都高のロゴ
1階フロアの見学を終え、階段を上り2階のフロアへ…。
2階の展示フロアは広々とした空間となっています。

「フロアの展示物は今後増やすかもしれないのですが、展示するなら何が良いでしょうか?」とスタッフさん。

せっかく聞いて頂いたのでと、無理は承知で個人的リクエストを幾つかお伝えしてしまいました(苦笑)

「ありがとうございます!参考にいたします」と優しく聞いて下さいましたスタッフさん、こちらこそお気遣いいただき本当にありがとうございました。今後更なるMMパークの展開を楽しみにしております!
2Fフロア 展示スペース
2階フロアには、首都高で実際に使用されていた案内標識を再利用して制作した「ベンチ」が展示されています。

こちらのベンチに用いられた標識板は、首都高・横浜北線「馬場入口」に設置されていたもの。ナンバリング標記も含まれており比較的新しく状態の良いもののようですが、表示内容の変更等により標識板の交換を行った際に不要となった発生材(撤去品)を利用しているとのことでした。

材料の標識板は一度横長に裁断して、湾曲をつけて並べることでベンチとして座りやすい形状となるように組み立てられています。

標識板の素材はアルミ製。寸法も大きくずっしりとした重量感がありました。座ったり、寄りかかっても歪むことがなく、堅牢でしっかりとした造りは、屋外での耐久性能が求められる標識ならではです。
馬場入口の標識を再利用したベンチ(入口案内.Ver)
1階フロアの標識展示でも紹介されていた通り、標識板に用いられる反射素材にはいずれも「再帰性反射」に特化した反射シートが採用されているため、昼夜間問わず視認性に長けているのが特徴です。

もちろんベンチに再利用されている標識も同様の反射性能を有しており、フラッシュを焚いて撮影すると、標識板部分全体が明るく反射。文字自体もクッキリと判読できることがわかります。

標識を再利用したベンチは、これまで首都高関連のイベント等度々で展示されていたことがありましたが、一般向けに常設展示されたのは今回初とのこと。

個人的にはパーキングエリア内にある休憩スペースなどに設置展開すると首都高のイメージアップや利用者のSNS映えや話題等にも繋がってメリットがありそうだなぁと感じました。
反射機能は抜群!
フロアには、さらにもうひとつ標識ベンチの展示がありました。

先程紹介した標識ベンチと同じく、横浜北線「馬場入口」の入口案内標識を再利用したものになります。

標識板は、馬場入口が「ETC専用入口」であることをを示したもので、紫色が基調としたデザインのものが用いられているのが特徴です。
 馬場入口の標識を再利用したベンチ(ETC入口案内.Ver)
こちらのベンチに再利用されている標識板ですが、もともとのサイズがかなり大きいため、1枚の標識板をベンチ2台に分割して製作したとのこと。(2台で大人6人が楽々座れる大きさです)

並べると…「(K7)馬場入口 ETC専用 ご利用ください。」と文字判読できるようになっており、あらかじめ告知やメッセージ性も兼ね備えたデザインのベンチとして加工されていることがわかります。

明るい紫色ベースに「K7」のルートマークが大きく標記されており、大きさも見た目もかなりのインパクトがあります。もちろん反射機能もバッチリ!

通常、撤去・交換された標識は適正に廃棄処分されるそうですが、首都高では、環境負荷対策として一部をベンチなど素材を活かす形で再利用する取組みを行っているとのことです。
K7馬場入口 ETC専用 ご利用ください。
このほか、標識を再利用した「丸イス」もありました。

丸イスは天板座面の部分に標識板が使用されています。
展示されているのは首都高の「都」の部分を利用したデザインのもの。
丸イスならば、サイズもコンパクトで家庭にも置けそうな気がしたのですが、残念ながら一般向けの販売については今のところ予定していないとのことでした。
標識を再利用した丸イス
首都高が取り組む環境負荷対策。
素材の再利用は標識だけにとどまりません。

例えば、首都高の工事規制予告や開通案内、交通安全啓発などのメッセージを伝えるため首都高各所に掲げられていた「横断幕」や「工事看板」、作業車両の「廃タイヤ」等役割を終えた素材を再利用して新しい製品へと生まれ変えるための取組みが行われています。

これら首都高のリサイクルプロジェクトは総称して「CIRCULATION SHUTOKO(サーキュレーション首都高)」と名づけられています。

ちなみに「CIRCULATION」とは、日本語訳で「循環(流通)」を意味しており、まさに素材の再利用・有効活用による循環型社会が望まれた現代に順応した首都高ならではのプロジェクトです。

展示フロア内には、このプロジェクトにより生み出された製品やコンセプトについて、パネルと実物により詳しく紹介しています。
首都高リサイクルプロジェクト「CIRCULATION SHUTOKO」
こちらは、実際首都高上に掲示されていた首都高の「横断幕」の一例。表示面には「PA」や「夜間通行止」などと記されており、まさに首都高らしい内容のフレーズで溢れています。

横断幕に使用している素材は主に「ターポリン」と呼ばれるもの。丈夫で破れにくく、屋外での風雨や寒暖差にも負けない高い堅牢性と耐久性を有しているのが特徴だそうです。

そんな横断幕ですが、工事通行止や交通規制、開通などの期間を限定した内容を案内をするものが殆どで、掲示期限が過ぎたものは都度取り外し撤去や新しい内容のものへ張替えが行われます。

これまで撤去した横断幕は廃材として処分していたそうですが、せっかくの頑丈な素材とデザインがもったいない!何か別の形に有効利用できないものかと着目したのがプロジェクトスタートのきっかけになっているそうです。
掲示が終了した横断幕(サンプル)
そんな横断幕の素材を再利用して製作されたのがこちら。
「トートバッグ」と「サンダル」に生まれ変わりました。

よく見ると、首都高の文字や湾岸線のルートマーク、横浜ベイブリッジの絵柄など横断幕の表示の一部がバッグのデザインになっていることがわかります。中には2009年と記された10年以上経たと思われる昔のものも…!?
トートバッグはトートバッグブランドである「ROTOTE」との共同開発。
「HATARAKU TOTE(はたらくトート)」の商品名でショップや首都高の一部PA、首都高オンラインショップ等で販売しているそうです。

形状は持ち手だけのものや背負いベルトが付いたものなど、数パターンあるようです。

サンダルはベルトの部分を横断幕、足元と接地部分には作業車等の廃タイヤを再利用しています。こちらのサンダルには「ARUKU TIRE(あるくタイヤ)」という商品名が付いています。

デザインは横断幕の内容によって異なるため、巡りあわせ次第の1点モノだそうです!ぜひお気に入りのデザインを探してみるのも良いかもしれません。
横断幕を再利用したトートバッグ・サンダル
次に、2F展示フロアの一角に設けられた「首都高MMパークGallery」。
こちらのギャラリーでは「横浜ベイブリッジ」や「横浜港」、「クルーズ船」などが題材テーマとなった絵画が展示されています。

展示は、「サントリーウィスキー」のキャラクターで知られる「トリスおじさん(アンクルトリス)」を描いた生みの親「柳原良平」さんによって描かれた作品をはじめ、リトルグラフ(平版画)や切絵などの手法が用いられたシンプルでポップな雰囲気に仕上げられたものが多く、老若男女多くの方が観て楽しむことができるラインナップになっているように感じられました。
首都高MMぱーく Gallery
こちらは、首都高の歴史をまとめた年表パネル。
1960年から2021年までの首都高速道路にまつわる出来事を年表順に写真付きで紹介されています。

路線の新規供用や延伸、首都高速道路公団の民営化、ETCや新しい制度やサービスの導入開始など…。写真付きで細かく記載されており、写真の中には古く懐かしい当時の貴重な姿を年表を追いながら知ることができます。

首都高の歴史を綴った年表に、Galleryの素敵な作品の数々、
詳しくは、ぜひ首都高MMパークで直接お楽しみください!
首都高の歴史(年表)
祝・「首都高MMパーク」オープン、おめでとうございます!

横浜・みなとみらいに、首都高の魅力をコンパクトにぎゅっと凝縮した企業展示施設が新たに誕生しました。

スタッフの方々も大変親切で丁寧に案内してくださいますので、多くの方が楽しめる内容になっています。

首都高が好きな方、興味がある方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
 
筆者記念写真

関連リンク


首都高速道路株式会社(ドライバーズサイト)

「首都高MMパーク」がオープンしました(2021.06.30首都高速道路株式会社WEBサイト内プレスリリース)

首都高みやげ(首都高の世界感を楽しむお買い物サイト)

首都高パトロール株式会社(首都高の交通管理業務を担当する企業)

CIRCULATION SHUTOKO(首都高のリサイクルプロジェクト)


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