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中部横断自動車道 増穂IC-六郷IC間
開通目前!探索レポート
調査・探索年月
2017.02
主な場所(路線) 山梨県 甲斐市・南アルプス市・富士川町・市川三郷町等(中部横断自動車道)
目的・趣旨 いよいよ、中部横断自動車道 増穂IC-六郷IC間の開通日が2017年03月19日に決定しました!
そんな開通を目前にひかえた2月中旬。現地工事の進捗状況と周辺がどのように変化したのか…。気になったので少しばかり見に行ってきました。
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中部横断自動車道は、
静岡県清水市~中央道の重複区間を経由し~長野県小諸市を結ぶ計画の距離約130kmの高速道路。

現在「双葉JCT(中央道)」からは、南方の「増穂IC」までが供用中。
将来はさらに南の「新清水JCT(新東名)」との直結を目指し、事業が進められています。

そして来る2017年03月19日、「増穂IC」~「六郷IC」(約9km)間の開通が決定しました!

本路線の整備により、山梨県と静岡県間の物流・観光両面のアクセス性向上や所要時間の短縮、今後の新東名高速道路との早期接続に一層の期待が寄せられています。
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 2017年2月某日早朝、筆者は都内の自宅を出発。
中央自動車道(下り線)をひた走り、双葉JCTから中部横断道は
南アルプス方面へ。増穂ICへと向かいました…。

双葉JCT中央道側の案内標識、従前より「南アルプス」と表記されてきましたが、今回の延伸に伴う表示の追加変更は行われたりするのでしょうか…?(筆者が通行時は改変の気配は無さそうでしたが…。)

静岡方面へは現在事業中で一部未開通となっていますが、国道52号経由で向かうことが可能。暫定的に青看板の補助標識を用いた案内がなされているのが特徴です。
中部横断自動車道が接続する、中央自動車道(下り線) 双葉ジャンクション
南アルプスの山々と釜無川 そして中部横断道の高架橋 中部横断自動車道(上り線)72.9kp付近 静岡まで106km。
中部横断道の本線は暫定2車線(対面通行)。双葉JCTから増穂ICの区間の大半が橋梁部で構成されています。
見通しの良い橋梁部では「南アルプス」の山々や、長く伸びる「中部横断道の高架橋」の景色を味わうことができました。
南アルプスインターチェンジ付近から見える富士山 車線分離標のキロポスト表示
白根ICを通過。南アルプスIC付近では正面に「富士山」を拝むことができます。

本線上にはキロポストを示す通常の距離標のほか、上下線を仕切る「車線分離標(通称:ポストコーン)」にもキロポストの表示が施されていました。
ちなみに中部横断道は、「新清水JCT」を起点(0kp)としてキロポストが割り振られています。
 
「南アルプスIC」と「南アルプス本線料金所」 かつての案内標識 南アルプス本線料金所(現在は廃止撤去済み)
この度の開通に伴い、廃止・撤去となった「南アルプス本線料金所」です。

これまでは増穂ICに料金所が未設置だったため、当「南アルプス本線料金所」にて料金収受や通行券発券等入口処理が行われてきました。
しかし今回の増穂IC-六郷IC間の延伸に際し、新たに増穂ICに料金所を設置。また六郷IC寄りにも「富士川本線料金所」が新設されるため業務の必要がなくなることから、2017年2月20日の開通に向けた既存区間のリフレッシュ工事(昼夜連続通行止)開始をもって廃止・撤去となりました。

かつては南アルプスICの南に約1km(65kp)の付近に位置しており、当時のレーン数は、上り出口:2本、下り入口:混在1本の全3レーン。
2006年の増穂IC-南アルプスIC間の開通から約10年間、中部横断道の玄関口の役割を果たしてきました。
開通案内と事前工事による通行止予告のパンフレット
近隣のSAPAで配布されていた、中部横断道 六郷IC-増穂間の開通パンフレット。
別冊でリフレッシュ工事に伴う通行止予告の冊子も同時配布されており、南アルプス本線料金所の撤去や舗装、開通区間との擦付の工事を行う旨の内容が記載されていました。
空欄部分が残る距離案内標識
開通当初より、中段の項目が空欄状態だった距離案内標識。今回の開通により「六郷IC」の項目が入る日も近くなってきました!
標識板をズームにしてみましたが、この時点ではまだ項目を追加したマスク処理等の痕跡は見受けられませんでした。
下段にある「静岡 97km」の項目も、延伸によって距離が変更となり書き換えられるのかもしれません…。
 
増穂インターチェンジ 出口付近
現在終点の増穂IC。ここから先が今回新たに延伸開通する区間となります。さてさて工事の進捗状況は如何に…。
 
「富士川町」のカントリーサイン 2010年頃の同地点 「増穂町」のカントリーサイン 
終点の増穂IC手前で「(南巨摩郡)富士川町」へと入ります。

「増穂IC」の名称由来は、建設・開通当初の所在地が「(南巨摩郡)増穂町」であったため。
その後増穂町は2010年に同郡「鰍沢町」と合併。「(南巨摩郡)富士川町」となり現在に至ります。

本線上の行政境界標識(カントリーサイン)も「増穂町(アヤメの花)」から「富士川町(桜の花)」に差し替えが行われたようです。
増穂インターチェンジの出口ランプと建設中の本線 2010年の同地点
増穂IC出口のOFFランプ部。右手の仮設ガードレールの先に見える部分が、この度開通する(増穂IC-六郷IC間)の本線です。
開通まで、あとひと月ちょっと…。現場は舗装が完了し、照明や標識・ガードレール・植栽・レーンマーク等の仕上げ工事が佳境を迎えていました。
右の写真は、2010年当時の同地点の様子。現在建設中の本線は当時影も形も無く、雰囲気がガラリと変わったことがわかります。
 
建設中の増穂パーキングエリア(上り線) 建設中の増穂パーキングエリア建屋(上り線)
増穂ICには、新たな休憩施設「増穂PA」が併設する形で整備されます。
PA上り線側の施設は、売店・食堂等の商業施設は一切設けず、お手洗(トイレ)のみ。
PA利用後に増穂IC出口での流出も可能。ただし、増穂IC入口より流入した場合はPAの利用は出来ない構造となるそうです。
既に増穂PAの建屋も完成しており、IC出口とPA入口の分岐案内標識等の存在も確認することができました。
増穂料金所付近の様子 2010年の同地点 
増穂料金所が完成していました。今後増穂ICを利用した場合、当料金所で料金収受や通行券発券等の入場処理が行われます。
右の写真は、2010年当時の同地点の様子。当時から料金所の用地は確保されていましたが、前述の「南アルプス本線料金所」で料金収受を行っていたため、増穂ICには料金所施設が一切設置されていませんでした。
建設中の増穂料金所 増穂料金所のガントリー名称板
増穂料金所。この時は運用開始前のため、入口側のレーンをそのまま逆走する形でスルー(通過)することができました。 

これまでも開通前イベントや無料化された有料道路では、料金所をそのままスルー(通過)できる経験が何度かありましたが、有料かつ供用している路線の料金所をそのまま通り抜けることができたのは大変珍しい貴重な体験だったように思います。

料金所ガントリーの名称表示板も料金所の本運用開始まで誤認識を防ぐため、IC名称や番号等の部分はマスク処理にて隠された状態となっていました。
運用開始前の増穂料金所。全車スルー(通過)。
国道52号との擦り付け交差点とボックスカルバート NEXCO工事関係車両向けの安全啓発看板
増穂ICを流出し、国道52号(甲西道路)へ…。平日の日中ということもあり、中部横断道の工事関係車両が多く行交っていました。
沿線には「一般車・自転車・歩行者優先」と記された、NEXCOの工事関係車両に向けた安全啓発看板がいたるところに掲げられています。
看板には中日本高速道路(NEXCO中日本)のオリジナルキャラクター「みちまるくん」も描かれており、目を引くものとなっていました。
道の駅 富士川 
増穂ICを降りてすぐ、国道52号沿いにあるのが「道の駅 富士川」です。
「増穂PA」の下り線側はこの道の駅に隣接する形で整備されます。

下り線側PAの施設自体は「駐車スペースのみ」となるそうですが、
隣接の「道の駅 富士川」内にある既設のお手洗いや売店・商業施設等が利用できるよう、車を止めて行き来が可能な構造になります。

当初はお手洗のみのシンプルな形状で整備される計画となっていましたが、周辺に道の駅や河川防災ステーションの整備計画も浮上していたことから、これらを一体化した現在の構造に変更された経緯があるそうです。

これらの休憩施設の計画変更によって、整備コストの縮減や、休憩施設の利便性向上が図ることができたほか、地域交流や情報発信の場としての活用も可能になると期待されています。

実際に営業中の道の駅の隣では、下り線PAの工事の様子を伺うことができました。駐車スペースの舗装も完了し、既にパーキングエリアらしい姿に仕上がっていました。
建設中の増穂パーキングエリア(下り線)
双葉ジャンクション方面の展望 供用・未供用区間の擦り付け作業が進む…。
「道の駅 富士川」の屋上展望スペースは、中部横断道の本線を眺望するのにはもってこいの場所でした!

こちらは双葉JCT方面の様子。
増穂IC付近では、既に開通・供用している区間と今回開通する区間を繋げる擦り付け工事等が行われている真っ只中でした。

奥に見える「アーチ橋」は中部横断道ではなく、並行する国道52号は甲西道路の「坪川大橋」。富士川町と南アルプス市を結んでいます。

未開通部分には、増穂ICの新しい「出口行動点案内標識」もお目見え!
「富士川町」の案内は、補助標識で対応していることがわかりました。
増穂インターチェンジ 出口案内標識
増穂料金所
先ほど通過してきた、増穂インターチェンジの料金所。道の駅の展望スペースからも眺めることができます。

平日ということもあってか、清水方面から国道52号をトコトコ走ってきたと思われるトラックたちが、中部横断道を中央道方面に乗り込んでいく姿が時折見受けられました。

料金所の運用が始まっていないためだろうか、やはりこちら側も名称表示板がマスク処理で隠された状態のまま。奥手には本線方面の分岐部や標識なども確認できました。

料金所の奥手には「釜無川」と「笛吹川」の二つの河川が流れています。
両者はこ付近で合流し「富士川」へと名前を変えて駿河湾へと注ぎます。
本線への分岐点 
道の駅の真横を通過する本線
道の駅の真横を通過する中部横断道の本線。
本線を挟んで向こう側には、国道52号(甲西道路)が走り、商業施設や住宅地が立ち並びます。
六郷インターチェンジ方面の展望 建設中の富士川本線料金所
今回開通する六郷IC方面の展望。
工事中の増穂PA(下り線)の駐車スペースやランプのほか、富士川本線料金所や富士川を跨ぐ本線が見えます。
名称標識板の取付工事中の富士川本線料金所 「路線ナンバリング」に対応したと思われる名称標識板
開通に向けて工事が進められている「富士川本線料金所」です。
六郷IC以南~富沢IC間は、国土交通省が新直轄(無料)として整備を行う区間(六郷ICに料金所施設なし)のため、
今後はこの「富士川本線料金所」にて、六郷IC以北からの料金収受ならびに以南からの通行券発券等の入口処理が行われることになります。

筆者が訪れた際には、ちょうど料金所ガントリー部分の「名称標識板」の取り付け工事を行っているようでした。
取付られた名称標識板をよく見ると、「中部横断道」と記された左側に不自然な緑色の空白部分が見えます。

これは近年国交省が主体となって導入を進めてきた「高速道路の路線ナンバリング制度」が、ついに本運用として準備がなされたもの。
訪日外国人をはじめ、全ての道路利用者にわかりやすい道路案内を目指して検討されてきたものが、ついに具現化されることになります。
ちなみに、中部横断自動車道のナンバリング番号は「E52」が割り当てられることが決まりました。
富士川を渡る中部横断道の橋梁 (長さ820m)

六郷IC方面。富士川本線料金所の先で「富士川」を渡ります。
橋の正式名称は判りませんでしたが、橋の長さは820mあるそうです。

また遠巻きではありますが、橋を渡った富士川対岸の先にはトンネル坑口の存在も確認できました。

既にこれまで供用している双葉JCT-増穂IC間には、トンネル構造部がなく比較的平坦な場所を通過してきましたが、今回の開通ではいよいよトンネル構造を含んだ山岳地を通過する区間が現れることになります。
橋の先にはトンネルが…。
「道の駅 富士川」 店内の様子
「道の駅 富士川」の様子。

平日にも関わらず駐車場は半分以上が車で埋まっており、お客様の数は多い印象を受けました。売店では地物の野菜やお花、生みたて卵をはじめ、お土産のお菓子などが多数取り揃えられています。

ちょうどお昼時ということもあり、食堂はほぼ満員状態。大変賑わっていました。中でも平日限定「週替わりランチ」が600円と、道の駅の中では比較的お手ごろな価格で食べることができるそうです。ひょっとするとこれが繁盛の理由のひとつなのではないかなと思いました。

屋外の供用スペースでは、SAPAではおなじみの高速道路情報を提供する「ハイウェイ情報ターミナル」設備の設置作業が行われていました。
工事中の情報ターミナル設備の端末
六郷インターチェンジ入口の街路案内標識
国道52号など、周辺の道路には「六郷IC」の入口案内するための街路標識が準備されていました。
「君は太平洋を見たか 僕は日本海を見たい」 六郷インターチェンジ付近
「君は太平洋を見たか 僕は日本海を見たい 中部横断自動車道は皆の願い」
沿線には、その筋では有名な(?)中部横断道建設推進委員会の看板も健在しています。

本当は六郷IC周辺をもう少しゆっくりと探索したかったのですが、
周辺道路が狭く、工事車両の往来も激しい様子でしたので…ご迷惑にならないよう、車窓から見える範囲での簡素な調査となってしまいました。
六郷インターチェンジ出口 1.2km付近・原トンネル坑口 宮狩トンネル坑口
六郷IC出口1.2km付近。県道交差部から、ちょっとだけ本線の様子を伺うことができました。
ちょうどトンネルに挟まれた区間で「原トンネル」(TN延長不明)・「宮狩トンネル」(長さ2890m)の2本のトンネルの存在が確認できました。
建設中の中富インターチェンジ
六郷ICまでの探索を終え、国道52号で清水方面へ…。

途中の沿線では、中部横断道の本線をはじめ「中富IC」や「富沢IC」の一部と思われる橋梁や工事現場等、建設途中の構造物が多数散見されました。

六郷IC-富沢ICまでは、国土交通省が主体となって整備する新直轄(無料)区間。富沢IC-新清水JCTまでは、NEXCO中日本が整備を進める有料区間となります。

いずれの区間も着実に工事が進められていますが、トンネル掘削工事等が難航し進捗が想定よりも遅れていることから、開通予定の延期(当初の2017年度→2018~2019年度となる見通し)が発表されました。

何よりも先ずは工事が安全に進むことを願うばかりです。
中 部 横 断 建 設 中
新東名高速道路 新清水ジャンクション 建設中の中部横断自動車道と富士山 
【おまけ】
寄り道ついでに静岡市清水区吉原地区にある、新東名高速道路は「新清水JCT」の俯瞰スポットにも立ち寄ってみました。
現在は、中部横断道と接続するためのランプや橋脚の追加工事を行うため、クレーン等の重機が稼動したりと、再び現場が動き出しています。
またJCT北側には、中部横断道の本線となる橋梁も少しずつ伸びている様子も確認できました。

今度来た時には一体どのくらい工事が進んでいるのだろうか…?次回を楽しみにしながら家路へとつきました。

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