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 トップページ > 道路 > イベント・開通式典等 > E8北陸自動車道(有磯海SA・下り線) 「中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本) 創立1周年記念イベント」(2006.10.01)

イベント名称 中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)

創立1周年記念イベント
開催年月日 2006.10.01
場所 E8 北陸自動車道・有磯海SA(下り線)
主催 中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)

富山県警察
イベント内容 NEXCO中日本 道路パトロールカー・作業車両の展示

富山県警察 パトロールカー・警察車両の展示

高速道路ETC不正通行追放キャンペーン

交通安全啓発ほか

2006年10月01日。
中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)の創立1周年を記念して、同社が所管する各主要サービスエリアにて特別イベントが同時開催。今回は富山県魚津市内の北陸自動車道・有磯海SA(下り線)で開催された記念イベントに参加してきました。

NEXCO中日本(中日本高速道路株式会社)は、中日本地域の高速道路・自動車専用道路等を管理・運営する会社。2005年10月1日に前身の役割を果たしてきた「日本道路公団」が、道路関係四公団民営化関係法案等の可決成立に基づき解散・民営化。引継ぐ形で新たに日本高速道路保有・債務返済機構と共に高速道路3会社(NEXCO東・中・西日本)が発足し、設立1週年を迎えたことになります。

画像は会場の北陸自動車道「有磯海サービスエリア・下り線」。
駐車場の一画に特設会場が設営されました。

画像はイベント当時の様子。
(現在は新しい休憩施設にリニューアルされています)
会場の北陸自動車道「有磯海サービスエリア・下り線」
サービスエリア駐車場内に設営された特設会場。

今回のイベントは「NEXCO中日本」と「富山県警察」の合同による開催。利用者に向けた交通安全啓発やパトロールカー・作業車両の展示・乗車体験等が行われました。
有磯海SA駐車マスの特設会場ブース
まずは、NEXCO中日本の「道路パトロールカー」(道路巡回車)。

高速道路を巡回し、道路の異常発見や落下物の排除、事故発生時の規制・処理や故障車両の初動対応等を行うための車両。通称:黄パトとも呼ばれています。

各路線の管理事務所に常駐する「交通管理隊」が乗務し、高速道路の状況や情報を集約管理・指示系統を担う「高速道路管制センター」と連携を取りながら、24時間・365日パトロールを行っています。

使用車両は「トヨタ・ハイラックスサーフ」です。
NEXCO中日本 道路パトロールカー
道路パトロールカーを横から。

黄色のボディーカラーと、赤・白ゼブラ模様のバンパーは、昼夜間荒天時問わず視認性が高く、巡回や路上停車時も他の通行車両に対して存在感を出すことで安全性を高めています。

運転席・助手席を除く後席部分は、巡回・緊急対応時に使用する資機材(後述紹介)が搭載。さらに落下物の回収・積載にも対応できる車種が選定されているそうです。
道路パトロールカー(横から)
道路パトロールカーのサイドロゴ。

民営化以前は「(JHロゴ)日本道路公団 道路パトロールカー」と表記されていましたが、民営化後1年が経ち現在では「(NEXCO中日本ロゴ)中日本高速道路㈱ 道路パトロールカー」の表記へと変わりました。
道路パトロールカー(サイドロゴ)
道路パトロールカーの乗車体験では、実際に車両に乗車したり、記念写真等の撮影ができたりすることができました。

乗車しながら、本職の交通管理隊の方から車両や業務についてなど丁寧に説明していただきました。
NEXCO中日本 道路パトロールカーの乗車体験
早速、助手席側に乗車してみました。

まずはフロントのセンターコンソールボックス部の装備。
車内には移動無線機の送受話器、サイレンアンプの拡声マイク、車載式LED標識の表示操作パネル、車載投光器の光源操作リモコンなど…。
普通の車両にはない装備が多数実装されています。

特に無線機の送受話器は、昔懐かしい「黒電話」型の形状が特徴的でした。このほか写真にはありませんが、ETC車載機、自社の走行位置を瞬時に特定できるデジタル表示装置(キロポストディスプレイ)等も搭載されていました。
道路パトロールカーの装備品(無線送受話器・リモコン・マイク等)
運転席と助手席の間に据え付けられている「移動無線設備(車載無線機)」。巡回や事象対応時に道路管制センターと情報をやり取りするための主要な連絡手段のひとつです。

移動局ごとにコールサインが付与されており、自局のサインがテプラで貼り付けられていました。

新・旧2台の機器が接続されています。おそらくアナログ無線をデジタル無線等へ変換して利用している(?)ものと思慮されます。
道路パトロールカーの移動無線設備
オーディオパネルには、標準的な「オーディオ(ラジオカセット)」に加え、「サイレンアンプ」が格納されています。

交通管理隊が乗務する道路パトロールカー(巡回車)は緊急車両扱いとなっており、緊急時は散光式警光灯とサイレンを鳴動して走行することが可能です。

「サイレンアンプ」は緊急走行時に鳴動させるサイレンや、散光式警光灯、非常時のお客様誘導や広報に使用する拡声スピーカーの鳴動操作を行うための装備です。
道路パトロールカーのサイレンアンプ
ルーフに架装されている「散光式警光灯」。

交通管理隊が使用する道路パトロールカーの散光式警光灯は、赤色・橙色の2色がが実装されており、操作は前述のサイレンアンプで行うことができます。

緊急走行時や道路上停車時は「赤・黄」、通常巡回時は「黄」など使い分ける必要があるため、点灯色は個別の操作が可能です。

赤灯は回転灯、橙灯はキセノンの光源が使用されています。また警光灯の上部には、夜間の現場対応に活用できるリモコン操作式の車載投光器も搭載されています。
 道路パトロールカーの警光灯・車載標識
散光式警光灯と共に「車載式LED標識装置」も搭載。
車線規制時の誘導や注意喚起、この先で発生している事象内容を表示して後続の一般車両へ適確に伝えるための装備です。

実際にLED標識の表示を操作させていただきました。
まずは「通行止」。警光灯と併用すると、後ろ遠方からも十分に目立つことがわかります。

表示項目は多数登録されており、液晶パネルで操作。頻繁に使用する表示はあらかじめボタン登録することで瞬時に表示操作ができるほか、地名や啓発などの表示も追加登録が可能とのことでした。
道路パトロールカーの車載式LED標識装置
続いて、「落下物」と「事故」の表示。
表示は事象に合わせたシンボル(図柄)入りのもの。
状況がすぐに伝わるよう配慮が伺えます。

またシンボル図は、道路上に設置されている可変式道路情報板とほぼ共通したものが採用されており、統一性を感じます。
車載式LED標識(表示例1)
さらに、「止まれ」⇔「通行止」の交互表示。(画像は合成)

複数の表示パターンを併用して交互に表示する設定も可能。
後続のドライバーに向けてより具体的な注意喚起や誘導が行えます。
車載式LED標識(表示例2)
さらに、道路パトロールカーの車載装備品(資機材)を見せていただきました。リアハッチを開けると、トランクから2列目シートの位置までびっしり積まれていることがわかります。

搭載品は交通規制に使用するための発炎筒、LED矢印板、カラーコーン、手旗、停止棒、合図灯。落下物や事故をはじめ、オイル漏れ処理に対応するための竹ぼうき、スコップ、油処理剤、土のう袋、水、初期消火や応急処置の消火器、救急箱など他多数。

カラーコーンはホームセンターで販売されている軽量のものとは異なり、風や走行車両の風圧で飛散転倒しにくい柔軟性の高い重量型のものが採用されているそうです。
道路パトロールカーの車載品・資機材
道路巡回車の紹介パネル。
写真は基地での訓練時の様子を写したものだそうです。

乗務する交通管理隊のことを別名「ハイウェイパトロール」とも呼ばれています。高速道路が安全・快適に利用できるよう、365日休みなく巡回業務や事故・故障車・落下物等緊急時のお客様対応を行っています。

警察のような交通違反の取締りは行いませんが、事故や故障車、落下物等は所管警察(高速隊)とも相互連携を取りながら対応することも多いようです。
道路巡回車(道路パトロールカー)の紹介パネル
会場では「不正通行追放キャンペーン」も同時開催。

近年普及利用が進んできた「ETC(ノンストップ型自動料金収受システム)」における料金所の強行突破や、車載機情報の改ざん、未装着車のカルガモ並列走行などの不正通行に対する防止・罰則強化の広報PRとして、チラシやノベルティグッズの配布による広報が行われていました。
 不正通行追放キャンペーン
富山県警察による、「パトロールカー」の展示も行われました。
車種は、こちらも「トヨタ・ハイラックスサーフ」です。

警察や高速隊のパトロールカーといえば、セダンタイプやスポーツタイプの割合が多く、そのイメージが定着しがちですが、今回の車両展示ではあえてのSUVタイプが登場。

説明してくださった警察官の方のお話によると、納車して間もない新車とのことでした(当時)

富山のような雪国であれば、特に冬季の積雪時はパワフルに活躍してくれそうな気がします。
富山県警察 パトロールカー
富山県警のパトロールカーと、日本道路公団のテント。

物好きにはグッと来る組合わせだと感じたのは筆者だけでしょうか…(笑)
 
富山県警察 パトロールカー
NEXCO中日本の道路パトロールカーと同様に、富山県警のパトロールカーにも乗車体験ができました。

写真を撮っていると、警察官の方が気にかけていただき、散光式警光灯を点灯してくださいました。
富山県警察 パトロールカーの乗車体験
富山県警のパトロールカーに乗車。

車内助手席側の特製グローブボックスには、警察無線機が2台装備されています。

セダンタイプやスポーツカータイプのパトロールカーには、速度違反を取り締まるための取締機(スピードストップメーター)も装備されていますが、この車両は主に事故処理や巡回用としての役割を果たすための車両で搭載していないとのことでした。
パトロールカーの警察無線機
オーディオパネルには、道路パトロールカーとほぼ同様。標準的な「オーディオ(ラジオカセット)」に加え、「サイレンアンプ」が格納されています。

サイレンアンプは、警察車両の散光式警光灯は赤の一色のため、
道路パトロールカーに搭載されているものとはボタンや機能配置が少し異なるものが搭載されています。
パトロールカーのサイレンアンプ
パトロールカーの散光式警光灯。

ここ近年見かける警察車両には、視認性が高いとされる「ブーメラン型」のものが搭載された車種が多い中、あえてこの車両では「ストレート型」を実装しているのが大きな特徴です。
パトロールカーの散光式警光灯
2列目シートには、富山県警のヘルメットが置かれていました。
富山県警のヘルメット
パトロールカーの車載装備品(資機材)も見せていただきました。
NEXCO中日本の道路パトロールカーと比べて、シンプルで積載数も少ないです。

中身は事故処理や交通規制に使用するための発炎筒、LED矢印板、カラーコーン、手旗、停止棒、LED注意警告灯など。
パトロールカーの車載品・資機材
段ボール箱の中には、大量の「発炎筒」が常備されていました。
道路作業や交通規制向け専用の発炎筒です。

通常の車両に標準搭載されている発炎筒の燃焼時間は「約5分間」のところ、こちらの道路規制作業用発炎筒の燃焼時間はおよそ3倍の「約15分間」と長く持続するのが特徴です。さらに長期対応が必要な場合は、付属の樹脂製のジョイント(スタンド)で2本を連結することで「約25分」連続燃焼させることも可能だそうです。
 
発炎筒
折り畳み式の「矢印板」。
車線規制や本線停止の際に現場や車両の後方に設置するもの。
矢印の方向は上下の向きを変えることで切り替えが可能です。

矢印部分は反射材を使用しており、夜間や荒天時は内臓LEDを点灯させることで視認性を高めることができるそうです。
LED矢印板

こちらは「LED注意警告灯(ミニクルライト)」。
3眼の反射板とLEDが交互に点滅して注意喚起を行います。
道路上に設置したり、カラーコーンに掲げて使用します。

従前のものは反射板・LED発光色共に「赤色」の物を多く採用していましたが、最近では画像のような「青色」LEDを使用したものも起用しているそうです。
LED注意警告灯(ミニクルライト)
パトロールカーに続いて、「白バイ」の展示。
こちらも自由に写真撮影や乗車体験ができました。

車種は「ヤマハ・FZ750」。
一般向けにも販売されていた大型オートバイですが、
こちらは白バイ向けにカスタマイズされた特別仕様のものです。
富山県警察 白バイ
白バイのダッシュボード部分。

メーターは液晶で、白バイ特有のスピード測定用の表示項目がありました。サイレンや警光灯の操作はスロット部付近に操作スイッチがあるそうです。
白バイ(ダッシュボード部)
お子様向けに用意された高速隊の制服とヘルメット。

着用して記念写真を撮ることもできたようです。
高速隊記念撮影用衣装・ヘルメット(子供用)
富山県警の「サインカー」も会場入りしました。

サインカーは、車両後方に大型のLED表示装置を搭載した車両。
主に大規模な交通規制の誘導や交通安全の啓蒙表示を行います。
富山県警のサインカー
サインカーの表示部。
表示操作は車内に搭載されたリモコンから行うことができます。
また、表示板と警光灯は昇降機で上下させることが可能だそうです。

この日は富山県警察のマスコット「立山くん」が表示されていました。

立山くんは、その名の通り富山県のシンボル「立山」がモデルとなっており、「立山のように凛々しく、頼もしく、爽やかでそして親しみと優しさを持つ警察官」をコンセプトに、富山県出身の漫画家「藤子不二雄(A)氏」によって描かれました。
サインカーの表示(富山県警察マスコット「立山くん」)
富山県警の警察車両の展示をひととおり見終え、
再びNEXCO中日本の作業車両の展示コーナーへ…。

こちらは雪氷シーズンに大活躍する「除雪車」。
厳冬の北陸道を機能させるために必要不可欠となる作業車両です。
除雪車
除雪車の車両前面には、横幅約4メートル超の大きなスコップ(スノープラウ)が取り付けられており、道路上に降り積もった雪を路側方へかき寄せます。

片側2車線の道路では、2台が並列で並んで除雪を行う「梯団除雪」と呼ばれる方式で作業が行われるそうです。
 除雪車のスノープラウ(前方)
車両後方の下部にも小型のスノープラウが取り付けられており、前方のスノープラウで除雪後、残雪の塊などを取り残さない構造になっています。
除雪車のスノープラウ(後方)
除雪車後方には、車載LED標識と警光灯、衝撃緩衝材が取り付けられていました。

除雪作業中は低速で進行するため、後続車両への注意喚起や安全対策についても万全な体制が取られているようです。
除雪車の後部
除雪車のサイドドアには、「日本道路公団」のJHロゴが残っていました。NEXCOへ民営化してから1年が経ちますが、このように旧・日本道路公団の名残りが随所に残っていることがわかります。

車両は、JHからNEXCOに移管後も引継いでそのまま使用されるものが多いようです。次回の車両更新や置換えまでの間は、JHのロゴや道路公団の標記の車両は順次NEXCOへ標記を修正して使用するとのことでした。(当時)
除雪車のJHロゴ
雪国で活躍する除雪車(雪氷作業車)の紹介パネル。

除雪車は、展示されていた「スノープラウ型」と、「ロータリー型」の2種類が存在し、路肩や本線などの場所や用途で使い分けられているようです。

このほか、路面の凍結防止剤(塩化カルシム等)を散布する「湿塩散布車」なども各地で活躍しているとのことでした。
除雪車(雪氷作業車)の紹介パネル
展示とは別ですが、会場傍には「北陸高速道路維持作業車」と記されたユニック付きの運搬車も待機していました。

工事用の資材や発生材等を運搬する作業車両と思われます。
北陸高速道路維持作業車(運搬車)
中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本) ラバーコーン 日本道路公団(JH) ラバーコーン
会場ブースと駐車場を仕切るために設置されていた規制材の「ラバーコーン」。
「中日本高速道路(NEXCO中日本)」標記と「日本道路公団(JH)」標記の両方のタイプが使用されていました。
日本道路公団仕様のものは、新しいNEXCO仕様のカバーへ貼り換えを行い、徐々に置換えられていくものと思われます。
高速道路で働く維持作業車両の紹介パネル。

路面などの清掃作業に使われる「散水車」、作業や交通規制を行う際の後方警戒や誘導を行う「自走式標識車」など。

パネル以外にもたくさんの作業車両が様々な現場で活躍しているそうです。
高速道路維持作業車両の紹介パネル
「維持作業車(リフトカー)」の試乗体験も開催されました。

リフトカーは、トンネルや上空高所の道路構造物や付帯設備の点検・清掃・工事等を行うための作業車両。

荷台の作業ヤード部分が上下に昇降する機能を有しています。
高速道路維持作業車(リフトカー)の試乗体験
リフトカー試乗体験中の様子。
有磯海SAと展示車両を上から眺められることができました。

今回のイベントは、普段じっくりと見ることの少ない高速道路で活躍する車両を観察することができた貴重な機会となりました。

日本道路公団の民営化によりNEXCOが誕生してめでたく1年を迎え、目に見える部分も少しずつ変化してゆくのが実感できる過渡期にあるように思いました。

会場ではNEXCOの職員さんや交通管理の隊員さん、高速隊の隊員さんらが詳しく丁寧に案内や解説をしていただきました。危険が伴うことも多い中、皆様の活躍のおかげで安全な道路空間を利用できていることに感謝し、自らも一層の安全運転に努めたいと思います。
高所作業車バケットからの眺め

関連リンク


NEXCO中日本(中日本高速道路株式会社)ドライバーズサイト

富山県警察本部


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